スポーツにおいて競った場面、とても緊張しますし、プレッシャーがかかる場面です。ここでいちばん大事なことは、判断ミスをせずにポイントに取り組むことです。
判断ミスが命取りに
まず、過去の競った場面での自分の判断ミスについて振り返り、自分の判断のクセを書き出してみましょう。例えば、このように整理してみます。
1. カウント
このシーンでのカウントは「3-4の40-40」。自分がサービスの場面で、このポイントを落とすと、相手はあと1ゲームで勝利をものにしてしまいます。
2. 相手のポジション・姿勢と自分のポジション・姿勢
このポイントで、自分のファーストサービスが入り、優位にラリーを展開していました。得意のフォアハンドで相手を追い込み、相手をコート外に追い出すことに成功しています。相手から少し甘いボールが返ってきて、ベースラインの中に入って打てそうです。相手はまだ真ん中に戻れていませんが、必死に戻ろうとしています。
3. どこにどう狙ったか
そこから、自分はオープンコートのストレートにフォアハンドを打ちましたが、相手が戻ってきているのも見えていたこと、相手に取られないように、なんとかこれでポイントを決めたいと思い、かなり厳しいところを狙いました。その結果力んでサイドアウトをしました。
4. 本来はどこにどう打つべきだったか
本来であれば、それほど厳しいところを狙うべきではありませんでした。相手を追い込んでいるので、たとえば、コート半面の範囲内であっても優位は確保できたと思うので、そう判断するべきであった。
ショットの判断の原則
どのようなショットを選ぶか、どこを狙うかを判断するための原則として大切なことは、
自分がミスをする可能性が低いショットやコースを狙う
という前提があったうえで、
●相手よりも優位に立てるショットを選ぶ
ということです。
たとえば、相手に優位になる可能性があるからといって、ショットの確率が30%と低い確率の場所を狙ってもポイントは取れません。
このように自分のミスをするリスクと、ポイントを取れるかもしれない可能性を、天秤にかけて判断しましょう。
自分の傾向を意識して練習する
このように判断ミスを振り返り、自分の傾向が見えてきたら、それを競った場面で意識すべき具体的な目標や自分の中のルールとして立てましょう。競った場面で、こういうケースのときはこういう判断をする、というルールを一つずつ積重ねて整理していきます。
そして、試合前等に見返して、そのルールを確認して取り組みましょう。
また、普段の練習で意図的にそういう場面を作って練習をしたりすることも改善につながります。
まとめ
競った場面でポイントを取るためには、過去の判断を冷静に分析し、その結果から学ぶ姿勢が重要です。自分の傾向を見極め、リスクと可能性を天秤にかけて選択する訓練をすることで、真の力を発揮することができるでしょう。重要なのは、まず自分自身を良く知り、次に相手を知ることです。そして、その理解を基に冷静に判断し行動することで、競った場面でも自信を持ってポイントを狙うことが可能になります。